過走行車に合うエンジンオイルを考える

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はじめに

私が乗っている2011年式アテンザスポーツ(GH5FS)はもう間もなく総走行距離が10万キロを迎えます。取扱説明書を見ますと「エンジンオイルは外気温に応じた粘度のものを次の表にもとづき使用してください」ありまして、何種類かのエンジンオイルとオイル粘度が表記されていました。具体的には0W-20・5W-20・5W-30・10W-30になりますが私が住む香川県では氷点下になることが少ないのでどのオイル粘度でも問題なさそうでした。

低燃費を考えると0W-20や5W-20が良いのですが、過走行車になってくるとピストンとシリンダーとの隙間が新車に比べ大きくなり、エンジンオイルの役割である潤滑・清浄・密封・冷却・防錆という5つの役割のうち密封作用に影響が出てきそうです。

粘度について考える

エンジンオイル粘度ですがWが付いてる側の数字が低温冷間時の粘度数値を表しており、この数値が低いほうが寒くても始動性がよくなる=柔らかいオイルということになります。新車や低走行車はこの数字が低くても問題ないようですが、旧車や過走行車だとこの数値が高いほうがオイル下がりが少なくなってよさそうです。

またWが付いていない側の数字がエンジンが温まった状態の粘度数値を表しており、この数値が低いほうが燃費が良くなる=サラサラのオイルということになります。エンジンの回転数があまり上がらないような状況が多い車はこちらが低いほうが燃費もよく望ましいのでしょうが、旧車や過走行車だとこの数値が高いほうが密封性能に効果があり、ハイパワー車だと冷却性能に効果がありそうです。またオイル上がりも少なくなりそうです。

では5W-30と10W-30のオイルを比較したとき温間時の性能は同じなのかというとどうやら違うようで、冷間時と温間時の粘度差が少ないほうが熱に対して強い場合が多いみたいです。

グレード規格について考える

ガソリンとディーゼルで規格の表示が変わりますがこの車はガソリン車なのでその規格で考えます。詳細が知りたい方はご自身で調べてください。

API規格とILSAC規格があり、API規格にはSAから順に、ILSAC規格にはGF-1から順にグレードが良くなっていきます。どちらも性能が向上するごとにアルファベットか数字が変わっていきますので、同じ粘度でもこの規格で性能がどっちが上か判断できそうです。

ベースオイルについて考える

鉱物油も合成油もどちらもエンジンオイルとして十分な性能を持ってはいますが、合成油に付加価値を付け加えると

  • 鉱物油に比べて粘度指数が高いので温度変化に強い
  • ガソリンや水分を含みにくいため劣化が遅い

が、主な付加価値です。

粘度指数とは「潤滑油の温度に対する粘度変化の度合いを表します。 この粘度指数が大きくなるほど温度変化に強く、粘度が変化しにくい潤滑油です。」とありました。

これに付随して動粘度という言葉があり調べてみると、動粘度とは「一定容量の液体が規定温度において、粘度計の毛管内を自然流下するのに要した時間(秒)に粘度計の定数を乗じたものです。 数値が大きいほど粘りがあるオイルとなります。」とありました。

具体的に比較すると、

  • 化学合成油:動粘度40℃ 160 動粘度100℃ 23 粘度指数170
  • 鉱物油:動粘度40℃ 205 動粘度100℃ 23 粘度指数136

があったとすると、鉱物油のほうは動粘度40℃時の動粘度が高いので停車時のシール性は高いと想像できますが動粘度100℃時は化学合成油と同じくらいに下がるので(粘度指数が化学合成油に比べ低い)、これ以上温度が上がった場合、下げ幅が化学合成油より大きいと予想できます。

このことから油膜の厚みは粘度によって決まるが、油膜の保持性はベースオイルによって変わる(合成油のほうが保持性が高い)ということになります。

結論

私の車の場合、排気量が2.5Lと軽や小型車に比べ大きくトルクのある車なのでエンジン回転数も比較的低めの状態を維持して運転できます。とはいえマニュアル車になりますのでオートマ車に比べそこそこ回転数を上げることもあります。そういった点からまずベースオイルは部分合成油か全合成油。

オイル粘度は冷間時と温間時でなるべく差がないもの、かつ過走行車ゆえ推奨オイルの粘度より2ランク粘度が高いもの。具体的に言うと、5W-20を基準にして考えると10W-40あたりがベストかなと考えました。

上記を念頭にグレード規格ができるだけ高いもの、コストを考えた結果、以下のオイルを購入しました。

こちらの商品は上記条件を満たしつつ、API規格SNが多い中、SPというグレード。また日本国内工場で生産する自動車用・産業用オイルブランドということで安心感もあります。ひとまずしばらくはこちらのエンジンオイルを使用し15万キロを超えたあたりからは下記商品を検討中です。

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